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日本産ナマズ図鑑.jpg

日本のナマズ目魚類一覧 
ここでは私が撮影した日本産ナマズについて紹介します。コウライギギに関しては、飼育中の個体を2017年1月付(2020年1月更新)で中国四国地方環境事務所より許可を得て飼育しているものを撮影しています。また天然記念物のネコギギは2018年に滋賀県立琵琶湖博物館で撮影したものです。

▼概要

ギギ科(5)
世界でおよそ200種以上が生息するとされ、現在分類の整理が進めれている。今後も分類は変動する可能性が高い。当サイトはFishBase FishBase : A Global Information System on Fishesに従いTachysurusPseudobagrusCoreobagrusの3属とした。大陸に生息するギギ科には大型化する種類も多いが、日本に生息するものは大型になるギギと、残りは30cm前後までの小・中型種である。どの種も日本固有種であり、それぞれ遺伝的に遠縁で独立性が強い。自然環境の良好な水域に生息する。ギギを除く3種はレッドデータブックに記載されている。また最近は外来種が新たに加わった。全ての種類に4対、計8本の口髭を持ち、背鰭と胸鰭に強大な棘を持つ。また背鰭後方に脂鰭(しき)を備える。

種類

ギギ                Tachysurus nudiceps
コウライギギ      Tachysurus sinensis
ギバチ             Pseudobagrus tokiensis
アリアケギバチ Pseudobagrus aurantiacus
​ネコギギ          Coreobagrus ichikawa

ナマズ科(4)
世界で約80種が生息するとされ、日本ではナマズ属(Silurusの一属のみで4種が生息する。日本人が想像する一般的なナマズのイメージは本属のナマズだろう。最近の研究ではナマズに複数の遺伝子の異なる集団の存在が明らかになった。また2018年にはイワトコナマズと近縁とされるタニガワナマズが記載された。琵琶湖には独自の進化を遂げたビワコオオナマズも有名で個性的な種類が多い。全ての種類に2対、計4本(幼魚期3対計6本、後に消滅)の口髭がある。背鰭は棘を持たない小さな背鰭で、腹鰭の後方にとても長く尾鰭にまで達する臀鰭を持つ。

ナマズ(日本産・中国産)Silurus asotus
イワトコナマズ               Silurus lithophirus
タニガワナマズ               Silurus tomodai
​ビワコオオナマズ            Silurus biwaensis

アカザ科(2)
アカザ科は東南アジアを中心に繁栄し、アカザ属は中国や朝鮮半島に数多く見られるが、日本には2種のみが見られる。それも従来は1種のみの扱いであったが、最近の研究で遺伝的に大きく異なる2系統(クレード1とクレード2)に分けられる事が分かり、日本にはそれぞれ固有の2種が生息することとなった。また、その2種にはそれぞれ細分化した集団(サブクレード)があり、それらの中でも系統差は大きく更に別種レベルで何種かに分かれる可能性がある。外見の違いはまだ未発表だが、傾向的な特徴は顕著であり識別は難しくない。大きな特徴としては身体全体に小さな脱色斑が見られるものがクレード1、無いものがクレード2で、尾鰭が釣鐘状の形(角ばった円状)のものがクレード1、身体に対してやや大きく、うちわ状(丸みの強い)のものがクレード2である。全ての種類に4対、計8本の太く短い口髭を持ち、背鰭と胸鰭に毒棘を持つ。また背鰭後方に非常に長めで高さの低い脂鰭を備える。

アカザ・クレード2
Liobagrus reinii species complex Clade 2 
アカザ・クレード1
Liobagrus reinii species complex Clade 1 

ゴンズイ科(2)・ヒレナマズ科(2)イクタルス科(1) ハマギギ科(3)
ゴンズイ科、ヒレナマズ科とも4対、計8本の口髭を持ち、背鰭と胸鰭に強大な毒のある棘を持つ(ヒレナマズ科は胸鰭のみ)。また背鰭後方には細長く体背部尾鰭があり臀鰭と連結する(ゴンズイ科)。ヒレナマズ科は非常に長い第二背鰭と臀鰭がある。ゴンズイ科には肛門の後部に房状の突起がある。最近の研究でゴンズイに熱帯・亜熱帯に生息する広域種と日本近海にのみ生息する種類が別種となったのは記憶に新しい。またヒレナマズ科は外来種の2種類が琉球列島に知られる。観賞魚が放逐されて目撃が増えているウォーキングキャットフィッシュとは対照的に、石垣島にのみ帰化していたヒレナマズは開発とともに激減し、現在は消滅している可能性が高い。日本ではヒレナマズ科の魚は総じて和名をヒレナマズと呼ばれる為、ウオーキングキャットフィッシュもヒレナマズに含まれることがあり、紛らわしい               

ゴンズイ      Plotosus japonicus
ミナミゴンズイ   Plotosidae lineatus 
ヒレナマズ     Clarias fuscus 
ウォーキングキャットフィッシュ
          Clarias batrachus
チャネルキャット(アメリカナマズ)
          Ictalurus punctatus
ハマギギ      Arius maculatus 
​         他

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