日本産ナマズ類生息状況 2025.9月時点 by RK

琵琶湖湖内を除いて生息数は安定していると思われる。移入地域では増加傾向にあるとされるが、愛媛県内では一時期と比べると個体数は減っている様に感じられる。

現在見られる地域は関東地方に限られる。周辺エリアでは個体数や生息域拡大の傾向があるように感じられる。好む環境が違うせいか、同じギギ科で在来種のギバチとは同一水系には生息するもの、直接的な競合は知られていない。

関東エリアの特に平野部での生息域縮小が懸念されるが、山間部などは比較的安定して見られる。コウライギギとの種間競争はあまり起こっていないようだが、最近はより攻撃力があり、好む環境が重複するギギが、本種の分布域でも見つかっており、こうした移入ギギの増加によっては本種の生息が危ぶまれる。

90年代後半は比較的個体数が回復したのもあり、しばらく準絶滅危惧種であったが現在は再び絶滅危惧種となっている。特に、宮崎県大淀川水系の個体群は遺伝的に他地域とは独立した系統を持つ希少な個体群で、生息域は局所的で非常に数が少ない。また、他の地域では移入種であるギギの猛威を受け、短期間で本種の確認が出来なくなっている場所もあり、全体的に減少傾向にある様に感じられる。一方、宮崎県の一部の河川ではオヤニラミと共に移 入種として定着しているところもある。一時期に比べると減少傾向にあると感じられる。

まず採集で狙う事のない魚だが(国の天然記念物に指定されている為)、私の場合はタニガワナマズやアカザ・クレード1-2の探索時に見かける程度ではある。河川によっては季節変動で個体数がだいぶ変わるように思う。私の場合は夏場の遭遇は稀で冬季~春先の寒い時期にかなりまとまって見られた。夏になるとそのエリアからほぼ見られなくなるので季節移動があるのかもしれない。

現在、ナマズには4つの系統があり、在来の系統は3系統。関東や北海道の個体群は西日本に広く分布する系統が由来とされる。地域によっては減少傾向もあるが、本種の適応範囲はかなり広い為、分布域からすれば個体群はどの地域でも安定して生息していると思われる。

琵琶湖の岩礁地帯及び流出河川、余呉湖で見られるが、余呉湖や流 出河川ではさほど多くは見られない。琵琶湖では比較的安定して生息している様に思う。

比較的安定して生息していると思われる。東海地方と比べると長野・新潟県など信越地方の個体群はさほど多くは見られない。

琵琶湖とその流出河川で見られるが、どちらも生息数は安定している様に感じられる。

4つの系統があり、それぞれの分布域でだいぶ個体数の印象が変わる。東海地方だと見られるのはクレード1-2で、水質の良好な場所で石があれば大抵の河川で見る事が出来るが、静岡県及び長野県の一部にしか分布しないクレード1-3は生息地においても非常に数が少ない。本種は地域によって安定・減少傾向は異なる。関東地方ではクレード1-2が定着しており、東京都の河川では特に増加した様に感じられる。

3つの系統が知られるがいずれも生息域での数は少ない。近年の異常気味な自然災害で生息地が損失したり、それに伴う改修で全国的に減少傾向にあると思われる。四国地方では広域にクレード2-1が生息するが、特に香川県において非常に数が少なく今後も個体群の存続が危ぶまれる状況である。

石垣島での生息状況は近年余り報告がなく、図鑑に記載されている様な様子ではない。殆どの地域で見られなくなっており現地でも殆ど知られていない。

海水温の上昇により近海での分布域が北上している。瀬戸内海でかつては余り見られる魚では無かったが、この最近では生息エリアが増えている可能性がある。個体数としては全国的に安定している様に思う。

日本近海に見られるゴンズイと同じ程度に琉球列島で見られると思われたが 、実際にはそれほど見かけない様子。石垣島では全域の沿岸が生息エリアであるものの、見られる場所は決して多くは無かった。出会うのは意外と難しい。

関東では冬場の日中でも釣れるなど、その増殖力には驚かされる。近年では琵琶湖流出河川でも増加傾向にあり懸念しか無い。