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飼育と観察

ここでは日本産ナマズ類の飼育に関する情報を解説します。このサイトに来られる方は既に何らかの魚の飼育経験をお持ちの方が殆どかと思いますので、基本的な設備等の説明は省略しています。

​導入直前・直後は飛び出し事故注意

これは未だに私自身でもやらかしてしまっている一番悲惨な失敗例。そもそも身体能力の高いナマズ類は脱走に関しても名人だ。特に覚えていて欲しいのはイワトコナマズ、タニガワナマズ、ヒレナマズの3種は身体能力というかジャンプ能力が極めて高い。他のナマズ類も流水に向かって登ったり水槽の壁伝いに這い上がったり脱走に関しては長けているが、この3種のナマズはそれだけでなく水槽の中央付近からも高さのある突発的なジャンプをする。たとえ体高すれすれの水深にして上まで距離を作っても助走なしで高度なジャンプをするので油断できない。なので一番シビアになっている時期はエサやりや水替えが面倒でも蓋は絶対にしなければならない。また毎日ずれが無いかもチェックする。僅かな隙間を見つけて頭でこじ開けたりするのでテープや重りでがんじがらめに固定する。意外とだが、夜間だけでなく昼間に脱走を試みる事も多く私はイワトコナマズでそれをやられてしまった。

主な飼育管理について

病気

導入直後や採集からのストック
或いは季節の変わり目に注意

ナマズ類は病気に弱く、薬で後遺症(呼吸が荒い状態が続く・鰓が片方半開き等)が続いたり最悪死ぬこともあるので病気にさせない事が大事。採集からしばらくストックするときはこまめに水替えをする、水温を低めに維持する(雑菌の増殖抑制)、できるだけ飼育水槽までストレスを与えない様管理するのがポイント。また水温の変化の激しい季節の変わり目は体力を消耗しやすく、様々な病気に罹りやすい。ヒーター設備を用いて保温する事によりそういったトラブルを未然に防ぐことが可能。またエサ用に店で過密に管理されている活ドジョウはエロモナス病などを持ち込みやすい。エロモナス病は水槽内に常駐している菌ではあるが過剰に密度が増すと感染が高まる。生き餌は状態をよく確かめてから与えるようにしたい。

水温

​18~30℃までなら日本産ナマズ類は問題なく飼える

​東北から琉球列島まで、日本産ナマズ類は幅広く分布するが特別温度を気にする種類はおらず、先に書いた水温なら問題なく飼える。但し冬季に関しては15℃以下だとゴンズイの仲間は死亡するのでヒーター設備は必須。ヒレナマズに関しても温暖な地域に分布する種なので18℃は欲しい。アリアケギバチは冬季に極端に食欲が落ち、かなり痩せるが春先には回復してくるので放置したので良い。アカザの仲間は低温で発生する水カビ病に弱いので20℃くらいに保温して管理するのが理想と言える。

エサ

日本産ナマズ類は全種が肉食性。

10種を超えるナマズ類が日本に生息するがどの種も肉食性である。従って一番理想的なのは採集した魚を与えるのが間違いないが、それはあらゆる面から色んな方向で負担が大きい。自然界から得る栄養源には遠く及ばないが、冷凍の養殖アユやドジョウ、エビ類、ざざむしなどの水棲昆虫などを購入し、間に肉食魚用飼料なども与えながら成長具合や体型のバランスをよく観察する。

混泳

殆どの種類が混泳に不向き

気性が荒い種や細菌に弱くエサも回りにくいアカザの仲間など、コミュニケーションタンクには向かない魚が日本産ナマズ類には多く、基本的に単独飼育が前提となる。

水槽

ナマズ類は性別によって最大全長が異なる。

ナマズ類は性別によって最大全長が異なる。図鑑などでは最大全長、或いは平均的な成魚の全長が記載されている事が多い。飼育にあたってはそれを考慮して水槽など飼育スペースを用意するのが間違いない方法ではあるが、飼育スペースを気にする方は性別によって水槽規格を合わせる事が出来るので検討するのが良い。ナマズ属は雌が雄の2倍近く成長するので、例えばビワコオオナマズなら雌120cm、雄はその半分程度の60~70cm。つまり雄なら飼育スペースをだいぶ抑える事が出来る。ギギの仲間はその逆で、雄は40~50cmになるが雌はその半分程度の25~30cm程度。

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